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英文契約の作成 リーガルチェック/審査・修正、翻訳の専門 寺村総合法務事務所

代表:寺村 淳(東京大学法学部卒、日本製鉄17年勤務)
Email: legal(at)eibun-keiyaku.net

AIを用いた英文契約の翻訳・チェックについてAIandContracts

英文契約書作成チェック寺村事務所ホーム > AIと英文契約書

  • <AI利用の拡大>

    最近、急速に、人口知能=「AI」の英文翻訳能力が上がってきました。

    英文契約の和訳やチェックは、ある意味で定型化可能な作業ともいえ、AIにはもってこいの分野なのでしょう。

    もちろん、海外企業から送られてくる英文契約の内容は、書き手によってかなり異なります。
    特に、英米以外の国々、例えばフランスその他EU諸国、中東諸国、アジア諸国の企業が提示する契約の原案には、英米の契約をベースとしたようなものもありますが、自国内の契約を英語に翻訳したようなものも多数存在します。
    ただ、AIの学習能力から言って、上記のような種類の相違は、もうあまり問題にならなくなっているのかもしれません。

    従って、英文契約の翻訳、場合によっては契約チェック・修正まで、AIに委ねることが非常に多くなっているものと思われます。

    AIの翻訳やチェック・修正で問題がなければ、企業のコスト管理の観点からは、大いに推奨されることと思います。

  • <AIによる翻訳などの問題点>

    しかし、AIによる翻訳・チェックには、2つの大きな問題があります。

    1)AIであっても、完全無欠なわけではありません

     AIと言えども、誤りがないことを100パーセント保証してくれるわけではありません

     結果的に誤りがない、という場合もあるでしょうが、AIの作業結果に疑問を持った場合であっても、AIは答えてくれません。

     もっと重要なことは、仮に、
    翻訳や修正に誤りがあり、和訳文のみを見てGoサインを出した御社に不利な英文が記載されていた場合であっても、AIは、一切責任を取ってくれません

     もちろん、契約書に関するAIを提供している事務所の弁護士から、保証を取り付けることができることになっている場合もあると思いますが、その費用は、AI翻訳の費用に比べ各段に高くなるはずです。

     また、その場合であっても、
    AIが翻訳した契約につき、弁護士が逐一チェックしたうえで、顧客に納入してくるとは限りません
    (もし弁護士がAIの翻訳について自らチェックするのであれば、その労力は、弁護士が最初から翻訳した場合とあまり変わらないでしょうから、費用も高額になるはずです。安価な弁護士保証が付いている場合は、顧客が疑問に思った箇所のみについて別途対応する、ということになっているように思われます)

     AIを用いることは、スピードやコストの点で、非常に有益だと思います
     
    しかし、契約書は、権利と義務の創出のためのものであって、きわめてリスクの高いものです。それを、AIだけに頼ることは、企業経営上、問題があると言わざるを得ません。

     英語で判断することが難しい(又は時間がない)企業の経営者や法務・総務担当者にとって、上記のような
    責任を負ってくれないAIに頼るのではなく、翻訳に問題点や疑問点がある場合にはきちんと対応してくれ、契約チェックについては修正した理由をきちんと説明してくれる事務所を選択することが重要だと思います。

    2)AIは、貴社の希望を確実に反映した契約修正を行えるわけではありません

     契約は、契約当事者双方からの意見や主張を基礎として成り立つものです。

     相手から契約の原案が出された場合、そこには、
    相手方に有利な条項が羅列されていることが普通です。また、抜けがあったり、定義した用語が別の個所では使われていなかったりする場合もよく見られます。

     では、その場合、AIは、貴社の希望する内容を盛り込んでくれるでしょうか?
     このようなサービスは、通常、別扱い=別料金になっているものと思われますし、そもそも、AIが対応できるのか疑問です。
     
    AIによる翻訳が仮に100%正しいと仮定したとしても、相手方に有利な条項を、御社のが望むように修正してくれるわけではありません
     また、
    必要な条項に抜けがある場合や、定義された用語を別の個所で別の用語を用いている場合などの誤植に、AIが修正するとは思われません。

     また、以下は、人間が起こしがちなミスですが、例えば
      
    "Supplier hereby appoints Distributor as its distributor." という英語を、
     「供給者は、販売店を、本製品に関する「
    販売店」に起用する」
    と訳している場合が散見されます。
    (正しくは当事者たる販売店との混同を避けるため、「
    販売業者」などと訳すのが正解です)
    (逆に、英文上も、小文字で始まるべき最後の "distributor" を 大文字=当事者たる"Distributor"と誤記している場合もあります)
     上記は、契約書の内容とその条項のいつ付けをきちんと把握することが必要です。


     AIには、これらの作業が正確にできるとは思われません。
     その理由は、日本語と英語は、一対一に対応しているわけではないからです。
     AIの和訳文を見て、不足している内容や修正を、日本語で指示しても、その意味をくみ取ったうえで英文に直すことは、相当難しい作業となります。
     そのような作業は、
    英語とその和訳の構造を正確に把握することが必要となります。とても、現状のAIにできる作業とは思われません

  • <弊所の英文契約サービス>

    弊所の英文契約サービス(和訳、英訳、リーガルチェック・修正及び作成サービス)は、すべて、弊所代表者(寺村)が担当します。

    例として、お客様が相手から提示された英文契約を
    和訳し、リーガルチェック・修正を行う場合をご説明します。


    弊所では、
    和訳とリーガルチェック・英文の修正を、同時並行的に行います

    お客様から「和訳の終了後、その和訳の修正が終わったら、それを見せて下さい」とのご要望を頂くことがありますが、和訳と内容の修正=和訳及び英文の修正は、同時に行いますので、和訳だけ早くお送りすることはできません。

    これは
    、英語とその和訳文とは文字通り一字一句対応するのではなく、英文と和文の「意味」「内容」が同じであることを、英文と和文を相互に確認しながら、進めていく必要があるためです。

    弁護士の中には、「和訳だけを見て法的チェックをし、それに基づく英文の修正を翻訳担当者に委ねる」といった仕事の仕方をしている人がいると聞きましたが、それでは、英文契約をきちんと処理したことにはならないでしょう。また、それでは、AIの修正レベルとあまり違わないことになりかねません。

    英語と日本語の意味の同一性、内容の同一性を図ることが肝心であり、
    そのためには、同じ人間が、英文を熟読し、自ら和訳と修正の双方を行う必要がある
    と考えております。

    また、弊所では、
    契約書の和訳とチェックを行う過程で修正や追加、削除が必要と判断した箇所については、極力(誤字などを除き)和文のコメントを入れ、お客様に、弊所の意図が分かるようにしております。
    弊所の修正つきコメント付き和訳文を、お客様におかれてご覧頂き、疑問点や、追加修正が必要とご判断された場合には、お気軽に、弊所にお尋ねください。
    お客様からのご質問やご希望を踏まえ、再度の修正や追加のご説明などを行います。

    英文契約をお客様の要望通りの内容に改定するには、上記のような作業が必要となります。
    これは、今のところ、AIができるとは思われません。

    お客様の企業として負担するリスクを軽減し、明確な内容を持った契約を締結することは、企業経営にとって極めて重要なことだと思います。

    是非、AI任せにせずに、弊所にご相談ください。