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前文, Whereas Clause−英文契約書条項例解説-1Preanble, whereas Clause

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0.はじめに


英文契約は文字通り「英語で書かれた契約書」ですが、通常は、国際的な取引に用いられます。
したがって、英語である点、および国際取引である点で、国内の日本語の契約と違いがあります。
その特徴について、簡単に、ご説明したいと思います。

1.前文


英文契約の書き出しは、次のようにされることが一般的です。

This agreement (hereinafter called the "Agreement"), made and entered into this 1st day of July, 2009 , by and between AA Co. Ltd., a corporation organized and existing under the laws of the State of Delaware, USA, with its principal place of business at AA, Delaware, USA (hereunder called the "Seller") and BB Co., Ltd., a corporation organized and existing under the laws of Japan, with its principal place of business at BB, Tokyo Japan (hereinafter called the "Buyer"),

WITNESSETH

(訳:この契約(以下「本契約」という。)は、2009年7月1日、アメリカ合衆国デラウェア州法により設立され存続しており、アメリカ合衆国デラウェア州AAに主たる事務所を有する法人であるAA(以下「売主」という。)と、日本法により設立され存続しており、日本国東京都BBに主たる事業所を有する法人であるBB株式会社(以下「買主」という。)との間で締結された。
以下を証する。)

特徴的なのは、ここに住所と、会社の設立準拠法を記載することです。
日本語の契約書では、契約書末尾に所在地、名称、代表者を記載することが一般的ですが、英文契約では、通常、最初の部分に、当事者を特定するための情報として、本店所在地を記載することになります。
なお、代表者(署名者)は、契約書の末尾になることが一般的です。

なお、このあと、多くの場合、「WITNESSETH」 という用語が書かれています。
この「WITNESSETH」は、「〜を証する」という意味の古い単語です。
なんで、こんなところに、「証する」という動詞が来ているか、不思議な感じがします。
実は、この前文は、形式的には、一つの文でできており、「This Agreement」が「witnesseth」する、という構造になっています。
つまり、「AとBという当事者が年月日に締結した本契約は、以下を証明する。」という構造です。
このあたりは、古くからの形式が残っている部分であり、最近の契約では、このような記載の仕方をしないものも増えています。

2.WHEREAS Clause


この書き出しに引き続き、次のような、日本語の契約では通常記載されない文章(WHEREASクローズ)が通常記載されます。

WHEREAS, the Buyer desires to purchase a certain kind of +++ products, as hereinafter specified, and,
WHEREAS, the Seller is an distributor of +++ products produced by the Seller, and desires to sell such products to the Buyer.

(訳:買主は、本契約において特定されるある種の製品を購入することを希望しており、売主は、自ら製造する+++製品の販売店であり、買主に対し当該製品を販売することを望んでいる。)


この「WHEREAS」クローズは、契約を締結するに至った経緯を説明することを主な目的としています。
「WHEREASクローズは、契約本文ではありませんので、そのクローズの内容について、本文と全く同等の法的効力はないと考えられています。

では、このWHEREASクローズがある理由は何でしょうか?

それは、当事者間で、本契約の権利、義務などに関する解釈や意見などが異なったような場合に、解釈の基準ないしは参考として機能することが期待されるからです。

つまり、契約本文に規定された義務の内容について、契約本文からだけでは解釈がひとつに決まらないような場合に、このWHEREASクローズを持ちだしてきて、両当事者の契約締結に至る経緯はこれこれこういうことだったので、ここの義務の内容は、このように解釈されるべきだ、ということの根拠とされるのです。

従って、このクローズに形式的なことだけを記載するのでは、いざという時に役立ちませんから、できるだけ詳しくその意図、背景などを規定しておくべきでしょう。



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寺村総合法務事務所 概要

東京都立川市錦町6-4-10-306
寺村総合法務事務所 〒190-0022
 (事務所開設 2003年10月)
代表 寺村 淳
・東京大学法学部卒
・早稲田大学オープンカレッジ講師
・行政書士/宅建主任
・企業経験17年(新日鉄等)

Email: officeteramura  (at)
      beach.dti.ne.jp
 <(at)の部分を@にして下さい>
http://www.eibun-keiyaku.net
著書:
はじめての英文契約書の読み方
  (2016年1月、アルク社刊)
これで納得!契約書の作り方
 等

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