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不可抗力(Force Majeure)条項−英文契約書条項例解説-3Force Majeure

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 不可抗力条項


不可抗力条項は、特に業務(サービス)委託契約やOEM契約などにおいて、業務提供側、製品供給側から提示する英文契約案に盛り込まれていることが多いものです。
不可抗力条項では、製品の納入やサービスの提供を行う当事者の責めに帰さない事由によって発生した、納入遅延や提供遅延について、その当事者が債務不履行(履行遅滞)の責めを負わない旨が規定されます。

英文契約書においては、次のように、簡単に表現している例が見られます。

Article A (Force Majeure)
"Neither party shall be liable to the other party for any delay or failure in the performance of its obligations under this Agreement if and to the extent such delay or failure in performance arise from any cause or causes beyond the reasonable control of the party affected (hereinafter called the “Force Majeure.”)"

「いずれの当事者も、本契約上の義務の履行が遅滞しまたは履行がなされなかった場合、当該遅滞または不履行が影響を受けた当事者の合理的な制御を超える事由(以下「不可抗力」という。)により引き起こされた限度において、相手方に対し責任を負わないものとする。」

しかし、この条項例には大いに問題があります。

その理由は、「不可抗力」という用語の定義が不明だからです。
何が不可抗力にあたるのか、をめぐってトラブルの原因となりかねません。

日本民法においても、同様の事が言えます。
日本民法における不可抗力の記述は、第419条に「金銭債務について債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができない」とあるだけです。
この規定を反対解釈すれば、「金銭債務以外は不可抗力をもって抗弁することができる」ことになりそうです。
問題は、日本民法上に「不可抗力」の定義をした条項がないことです。

具体例をあげてみましょう。

不可抗力に、戦争や内乱、天災地変などが含まれることにはあまり異論はないでしょう。

では、「ストライキ(労働争議)」は、どうでしょうか?

また、「下請会社からの部品当の納入遅延」はどうお考えになりますか?

ストライキ(労働争議)について言えば、

「商品やサービス供給側の従業員がストライキしたことにより、商品やサービスの提供ができなくなったこと」

を不可抗力として認めて良いのかどうか、ということです。

また、下請会社からの部品当の納入遅延についていえば、

「供給側当事者が自分で選択した下請業者からの部品納入が滞ったことにより、商品の提供ができなくなったこと」

を不可抗力として認めて良いのか、という問題になります。


これらについて、不可抗力として認めるのが正しいとか、誤りだ、ということを言っているのではありません。

問題は、不可抗力の定義に入るのかはいらないのかについて、当事者間で意見が相違する可能性があることなのです。

契約書条項の内容は、可能な限り、予測可能性を高める必要があります。

特に、準拠法が何になるか、あるいは準拠法の内容がどのようなものであるかがはっきりしない英文契約書(国際契約書)においては、契約上の文言を明確にしておいて、最終的に準拠法がどのようになっても困らないようにしておくことが何よりも大事です。

従って、不可抗力条項については、次のように、例示を必ず加えるべきでしょう。

"(上記に続いて)........, including, but not limited to, act of God; acts of government or governmental authorities, compliance of with law, regulations or orders, fire, storm, flood, or earthquake; war (declared or not), rebellion, revolution, or riots, delay or failure of delivery from subcontractor, strike, or lockout. "

「不可効力には、以下に限定されるものではないが、天災地変、政府または政府機関の行為、法律・規則・命令の順守、火災、嵐、洪水、地震、戦争(宣戦布告の有無を問わない)、反乱、革命、暴動、下請業者からの供給の遅延または不履行、ストライキ、ロックアウトを含むものとする。」




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寺村総合法務事務所 概要

東京都立川市錦町6-4-10-306
寺村総合法務事務所 〒190-0022
 (事務所開設 2003年10月)
代表 寺村 淳
・東京大学法学部卒
・早稲田大学オープンカレッジ講師
・行政書士/宅建主任
・企業経験17年(新日鉄等)

Email: officeteramura  (at)
      beach.dti.ne.jp
 <(at)の部分を@にして下さい>
http://www.eibun-keiyaku.net
著書:
はじめての英文契約書の読み方
  (2016年1月、アルク社刊)
これで納得!契約書の作り方
 等

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