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英文取引基本契約書−英文契約書類型別解説Basic Agreement

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3.取引基本契約の構成と契約条項のポイント V


  • 保証条項(Warranty)

    目的物が定められた仕様書に合致していることや、あるべき機能および安全性などを具備していることを、売主側が保証する旨の保証規定です。

    さらに、製造委託の場合などでは、設計、素材、製造技術などの面でも問題がないことも保証するとの定めが置かれることもあります。

    ここでは、売主側としてどこまで保証できるか、特に「性能」の保証をするかどうかが重要なポイントです。

    通常、機能についての保証は当然なされるべきでしょうが、性能を保証した場合は注意が必要です。

    性能は、様々な環境条件下で変わってくる可能性が高いものです。

    例えば、時計の時差について酷暑下または極寒下でも変わらず、標準の月差(例えば月差20秒)を維持できるのか、あるいは、ネットワーク下で用いられるソフトウェアのように状況がたえず変動しているネットワーク環境下で、常に同じような応答速度が達成できるのか、などをしっかり見極めたうえで、性能保証の有無および程度を検討すべきです。

    仮に性能保証をせざるを得ないにしても、どこでも、どんな条件下でも性能を達成することを保証するのではなく、ある一定の環境条件下においてのみ性能を保証する、といった工夫も必要でしょう。


  • 瑕疵担保責任条項(Defect Liability)

    目的物に瑕疵(かし)=不良があった場合において、売主がどのような責任を負担するかを定めた規定です。

    日本民法においては、売主の瑕疵担保責任および請負人の瑕疵担保責任が規定され、商法においても商事売買の売主の瑕疵担保責任が規定されていますが、売主の瑕疵担保責任の中に「修理」をする義務が含まれるのかどうかは、明らかになっていません。

    また、諸外国の法制度、特に英米法では、瑕疵担保責任という概念そのものが存在せず、瑕疵ある目的物を納品することではそもそも売主の債務を履行したことにならないと判断される可能性もあります。

    従って、国内契約においても国際契約においても、共に、売主の責任がどのようなものであり、買主がどのような権利の行使をすることができるのか、またその行使期間はいつまでなのかを明確に規定する必要があると言えます。

    また、この責任は無過失責任だと考えられています(国際契約でも同じといえるでしょう)。
    つまり、売主に故意および過失がない場合であっても、売主は責任を負担する必要があります。

    そこで、その点を契約上で追加し、例えば、売主に故意または過失(あるいは重大なる過失)がある場合には、責任期間を期限なしにしたり、重い損害賠償額を負わせたりすることも検討できます。

    逆に、売主サイドとして責任を負う場合を故意または過失がある場合に限定することも考えられなくはありません。


  • 仕様条項(Specification)

    売買契約だけの取引基本契約であっても、製造委託をする場合の取引基本契約の場合と同様に、目的物の「仕様」について、あらかじめ両当事者で合意しておき、その仕様に合致した商品を供給する義務を売主が負う、とすることが通常です。

    ポイントは、仕様書を誰が作成するのか、どのように合意するのか、ということを明確にしておくことです。

    製造委託を含む場合は、詳細にその内容を事前に合意しておくことが必要になりますが、製造という工程が入るため、仕様書の確定時期が遅延すると納品遅延を招くため、売主側としては仕様確定期限に注意が必要です。
    (例えば、仕様確定が遅延した場合には、目的物の期限内納入が出来ずとも債務不履行責任を負わない、といった定めがおかれる場合もあります。)

    また、仕様の変更が頻繁にあるような場合、その変更ルールを明確化しておくことが必要な場合もあります。


  • 製造工程/品質管理条項(Manufacturing Process, Quality Control)

    製造委託的な要素を含んだ取引基本契約においては、売主=製造者側の製造工程に関する品質管理に関する保証、あるいは製造工程不変更の保証、さらには、買主側からの工程チェックなどの定めが置かれます。

    ここでは、売主側としては、上記の仕様への合致の保証や機能保証などに加え、製造工程上で、しっかりした一貫品質管理体制を構築することについての保証規定が置かれます。
    また、売主に厳しい契約では、売主側が上記の品質管理体制を維持するために、買主側の承諾なく製造工程や製造等に使用する設備、金型、材料、加工方法その他品質に影響を与える可能性のある製造条件を変更しないことが義務付けられる場合もあります。
    さらに、買主側が製造工程に立ち入り検査を行うことができる旨が定められる場合もあります。
    売主としては、製造工程の変更禁止をどこまで呑めるか慎重に検討が必要でしょう。
    また、立ち入り検査を認める場合であっても、その態様、時間、事前通知等について、買主側に制約を課せないかについて、検討する余地があります。




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寺村総合法務事務所 〒190-0022
 (事務所開設 2003年10月)
代表 寺村 淳
・東京大学法学部卒
・早稲田大学オープンカレッジ講師
・行政書士/宅建主任
・企業経験17年(新日鉄等)

Email: officeteramura  (at)
      beach.dti.ne.jp
 <(at)の部分を@にして下さい>
http://www.eibun-keiyaku.net
著書:
はじめての英文契約書の読み方
  (2016年1月、アルク社刊)
これで納得!契約書の作り方
 等

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